救助犬のヘリコプター乗降と安全


救助犬とのトレーニング

 自分一人だけでもヘリコプターの乗り降りは難しいものです。ましてや救助犬を同伴するとなると、安全対策には十分な配慮が必要になってきます。救助犬ハンドラーはヘリコプターに接近する、乗る、降りる、離れるという行為を慎重に行うと同時に、犬を安全に導く責任があります。そのため、ヘリコプターの乗り降りの訓練を犬と一緒に行うことは非常に大切です。犬を伴ったヘリコプターの乗降訓練にはいくつかの段階があります。まず、よく使用する機材のパイロットや乗務員に相談します。犬を搭乗させるにあたって、その機材特有の条件や規制を理解します。


コールド・ロード(エンジン停止状態での乗降訓練)

 次にヘリコプターの中や周囲を犬に歩かせ、慣れさせます。これをコールド・ロードと呼んでいます。コールド・ロードとは、ヘリコプターのエンジンを止めたまま、犬を乗せたり、離陸の準備をしたりすることです。機体への安全な接近方法や、犬をコントロールしながらの乗り降りを体験することができます。まず機体に近づく前に、犬の首輪とリードがしっかり装着されているかを必ず確認します。ヘリコプターの搭乗のために、首輪の代わりに簡易ハーネスを使っているハンドラーもいます。犬を常に自分のコントロール下に置くことが欠かせません。犬によってはパニックを起こし、首輪をすり抜けて逃げ出すこともあります。時にはテールローターの方へ逃げてしまうこともあるでしょう。犬が首輪をすり抜けて逃げても決して後を追いかけてはいけません。ほとんどの犬は体高が低いので、テールローターの下を駆け抜けられますが、ハンドラーはそうはいきません。

 機体に近づく時には犬を脚側につけ、リードを短く持ちます。犬に話しかけ、安心させます。機体に近づいたら、まず犬を先に乗せます。自分から飛び乗れる犬もいますが、手助けを必要とする犬もいるでしょう。すぐに座席に向かって座らせます。次にハンドラーが乗り込み、犬を両足に挟む形で座り、犬と対面します。シートベルトを締める際には、リードを足にからませコントロールを保ちます。犬を足の間に座らせ対面すれば、何かあった時に犬を勇気づけられます。なるべくハンドラーの体の近い位置に犬を座らせましょう。

 ヘリコプターを降りる時にはまずハンドラー、次に犬を降ろします。常に犬をコントロールし、犬が飛びまわったり走りまわったりすることを許してはいけません。装備がある時には、まず犬をヘリコプターから離れた場所にしっかりと係留し、再び機体に戻って装備を降ろします。犬を連れたまま装備を持つというのは難しいものです。これで、コールド・ロードの練習がお分かりいただけたでしょうか?次に同じことを"ホット・ロード"でやってみましょう。


ホット・ロード(エンジン始動状態での乗降訓練)

 ホット・ロードはヘリコプターのエンジンをかけ、すべてのローターを回した状態で行います。これは犬にとって脅威的です。エンジンをかける時にはヘリコプターとの安全な距離を保ち、犬とともにエンジン音に慣れるようにします。機体への接近方法はコールド・ロードと同じです。首輪やハーネスがしっかりと装着されているか、リードを短く持っているかを確認します。必ずヘリコプターの前方から、頭を低くした状態で接近します。犬にとっては大きな音を出す何か得体の知れない物体に近づいているわけですから、声をかけて励ましてあげましょう。メインローターの下に入ると、音や気圧が変わるので、しりごみしたり、逃げ出そうとする犬がいるかもしれません。ですから、犬を励ますことが大切です。機体の入口に近づいたら、まず犬を先に乗せます。常にコントロールを保ち、ハンドラーが乗り込む間は犬を座らせておきます。犬と対面して座ったら、リードを固定し、シートベルトを締めます。パイロットと話しをするためにヘッドセットをつけることもありますから、インターフォンの使い方を覚えておきましょう。実働の際には、ハンドラーの装備は座席の下、後ろ、隣の座席の上のいずれかにしっかりと固定します。これで準備OKです。離昇時には犬を近くに寄せ、励ましてあげます。

 着陸後はコールド・ロードでの練習と全く同じことを行います。パイロットからの指示により、シートベルトをはずし、機体の外に出ます。犬はハンドラーと一緒に出たがるかもしれませんが、シートベルトを固定するまで機内で待たせます。シートベルトを外しっぱなしの状態では機体の側面を傷つけるだけではなく、ちぎれてローターの方に飛んでいってしまうこともあります。シートベルトを固定してから初めて犬を機体の外に出します。犬を完全にコントロールし、パイロットが確認できるよう、機体の前方へと離れます。


大切なこと

 初めてのヘリコプター訓練で、犬に無理強いをしてはいけません。怖がっているのであれば、ゆっくりと時間をかけて慣れさせてあげましょう。第一回目の訓練はコールド・ロードの練習をし、その後はエンジンをかけたヘリコプターのそばで慣れさせるだけにします。最初の訓練で犬に嫌な印象を与えるよりも、楽しい経験になった方がはるかに良い訓練になるでしょう。


緊急着陸

 ヘリコプターは緊急着陸をすることがあります。機内にいても、地上にいても覚えておいてほしい大切なことがあります。まず、非常口はどこなのか、どこに消火器や救急パックがあるかを頭に入れておきましょう。ドアの開閉の仕方も覚えておきます。パイロットから緊急着陸姿勢を教えてもらいましょう。緊急着陸時にはローターが壊れて飛び散ることもありますから、機体の外よりも中の方が安全です。ヘリコプターが完全に停止するまで、じっとしています。地上にいる場合には、その場を直ちに離れ、遮蔽物の陰に避難します。

 ヘリコプターは様々な分野で活躍する大変有効な道具です。出動時に協力してくれる関係機関とともに訓練しておきましょう。任務を首尾良く遂行するために、ヘリコプターの乗降、安全について学ぶことは不可欠です。


<以上は Multi-SAR Technologies制作ビデオ“Helicopter Operation & Safety”からの抜粋翻訳です。>



撮影協力:東邦航空(株)松本営業所
使用機材:アエロスパシアルSA315BアルウェットV(LAMA)






            























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